World Receiver
... 2007.07.08.[Sun]

■Artist : Tetsu Inoue
■Title : World Receiver
■Label : Infraction Records
■Release : 2006(Original-1996)
■Sample : ♪
1994年にPete Namlook主宰のFaxより1stアルバム『Ambiant Otaku』でデビューして以来、主に海外を中心に様々なレーベルから多くの作品を発表してきた日本を代表するアンビエント・クリエイターTetsu Inoue。10年以上に渡るその活動の中で、ソロでのリリース以外にもNamlookとの2350 Broadway、Atom HeartとのDATacide、そして同じくAtom Heart、細野晴臣とのHATなどを始めとした数多くのユニットでも作品を残し、今なおコンスタントにリリースを続けるアーティストでもある。
この『World Receiver』は1996年にリリースされたものの長らく廃盤になっていた作品が一昨年、アメリカのInfraction Recordsよりジャケットのアートワークも一新し再発されたものである。
本作はアジア諸国から欧米まで世界の様々な地域でフィールド・レコーディングされたという音源を用い、それらに彼の奏でる美しいアンビエント・サウンドが絶妙にブレンドされた作品となっている。
車のエンジン音、交錯する人の話し声、まるでアジアの雑多な街角の中をすり抜けるようにしてエキゾティックで艶やかな音色が聴こえてくる。これは彼が奏でる音と共に世界を巡る旅なのだ。
微かに聞こえる電車のアナウンス、そして虫の音と共に日本の夏を通り抜け、いつしか雨露が滴る鬱蒼としたジャングルを悠々と闊歩してゆく。しかし曲を追うごとに彼が描く神秘的なサウンド・スケープによって次第に現実と非現実との境界線が曖昧になっていく感覚に陥り、やがては聴く者の意識を此処ではない何処かへと導いてゆく。そう、まだ決して見ぬ何処かへと・・・
1996年、アンビエント・サマーと呼ばれた静かな風が過ぎ去った後も、なお幾多のアンビエント/アンビエント・テクノと呼ばれる作品が時代と共に量産、そして消費され或いは深い煙のその奥へと消え去っていった中で彼の創る音楽は現在もなお新鮮な感覚と普遍性を持って響き続けるだろう。








