Outmospheric Arts of The Outmosphere
... 2007.01.27.[Sat]

■Artist : Ben Reynolds
■Title : Outmospheric Arts of The Outmosphere
■Label : Digitalis
■Release : 2006
■Sample : ♪
Phil ToddによるAshtray Navigationsにも参加し、イギリスはグラスゴーを拠点にドローン/実験音響シーンで活動するBen Reynoldsによるソロアルバム。過去に発表された数多くのCD-R作品同様、本作も当初はCD-Rでの発表予定だったが、The North Sea名義で自身もアーティストとして活動するBrad Roseに見初められ彼が主宰するDigitalisよりリリースされる運びとなった。
先ずはインパクトのある強烈なジャケットが目に飛び込んでくるが内容の方も非常に充実したものとなっている。ドローン、フィールド・レコーディング、アンビエントといった要素に自身が演奏する生楽器を絡め、濃厚でサイケデリック、正に異空間的音響作品ともいえるサウンドに仕上がっている。
中でも印象的なのは、うねりながらとぐろを巻くように執拗に絡み合う持続音と自身が演奏するアコースティック・ギターの音色である。定まったメロディーを持たず揺らめくように漂うオルガン・ドローンのハーモニーからは壮厳で神聖な空気が感じられ、シタールのような魅惑的な響きを持ったギターの音色は幻惑的でミステリアスな空気を感じさせるだろう。
ラーガ(ドローンの雛型とも言えるインドの古典音楽理論)にも強く影響されたというサウンドはじっとりとした東洋の熱帯的な湿気を多分に含み、更には呪術的でトランス感覚に溢れた濃密で混沌とした時間を味わう事ができる。アルバム前半は静けさの中にも様々な要素が入り混じりカオスティックな内容だったが後半へ進むに連れ非常に穏やかな展開となっていく。
特にラストは天上的なメロディーに小鳥の囀りのような音色が終始こだまし自身の爪弾くギターの音色が優しく響く10分を越える非常に美しい楽曲となっており、それまでとは対照的に開放的なサウンドでアルバムは穏やかに幕を閉じる。
Tulkinta
... 2007.01.13.[Sat]

■Artist : Ø
■Title : Tulkinta
■Label : Sähkö Recordings
■Release : 1997(Re:release-2005)
■Sample : ♪
来る2月17日、山口情報芸術センターを皮切りに“ATAK + PAN SONIC + GOEM JAPAN TOUR−ATAK NIGHT 3”と題してMika VainioとIlpo Väisänenによるフィンランドが誇る電子音響テクノイズ・ユニットの巨星、PAN SONICの二人が来日を果たす。
今作『Tulkinta』はそのPAN SONICのメンバー、Mika Vainioによるソロプロジェクト=Ø名義でのアルバムであり、1993年にリリースされたSähkö Recordingsの最初期12"+1997年リリースの12"からの13カットをコンパイルした作品となっている。(因みにリリースは1997年だが2005年に再発)
このØ名義ではPAN SONIC同様、装飾を排しシェイプアップされたミニマリズムに極めてストイックで、モノクロームに覆われたエクスペリメンタル・テクノ作品を耳にする事が出来るがPAN SONICとの大きな違いとしては殆んどの楽曲に於いて明確な4つ打ちのリズムが存在し非常にダンストラックを意識した作りの作品に仕上がっているという所である。
耳を劈き、周囲の空気を切り裂くような強烈なノイズなどは顔を見せず、今や電子音楽の専売特許とも言えるクリックやグリッチ音がドライにプチプチと弾けながら曲中に散りばめられている。
贅肉を削ぎ落とし骨格のみで構成されたようなリズムトラックは浮遊し飛び交う電子音の強烈なアシッド感覚を伴って非常に覚醒感に溢れたグルーヴを導き出している。 特に前半部分(主に1993年作品)ではディープ・アシッドな曲が並び奇怪な電子音が飛び交い不穏な空気が流れる中、淡々と無表情なビートが疾駆する偏執的なトラックが多い。
この異形な電子音楽は宇宙的でありそして呪術的でもある。音そのものは極めてストイックで機械的なものだが其処から得られる感覚は紛れもなく麻薬的で恍惚とした快楽に満ちているのだ。
ボディ・ミュージックを越え、そして更にヘッド・ミュージックをも飛び越えたウルトラミニマル−エクスペリメンタル−テクノの極北。
Nature Never Produces the Same Beat Twice
... 2007.01.09.[Tue]

■Artist : Zavoloka & AGF
■Title : Nature Never Produces the Same Beat Twice
■Label : Nexsound
■Release : 2006
■Sample : ♪
時に詩人、そしてヴォーカリストとしてその印象的な歌声を自身の繊細な音響作品で披露していたAntye Greie-FuchsことAGF。現在はVladislav Delayの私生活でのパートナーでもあり、また一児の母でもある彼女がウクライナで活動する女性アーティストZavolokaと共に「木のテクノ」というテーマで作品をリリースした。リリース元であるNexsoundは、同じくウクライナ在住、過去に東京のSpekkからもリリース経験のあるサウンド・アーティスト、Andrey Kiritchenko主宰のレーベル。
各曲がすべて1分程度の長さで50曲収録、そして各々のタイトルが植物の名前から由来されており更には「草原」「木」「香辛料」「低湿地」「花」という5つの大きなパートに分けられた非常にユニークなコンセプトアルバムとなっている。サウンド的にはクリック、グリッチ、アシッド、ミニマル、ノイズ、エレクトロニカと様々な要素が入り混じり、そして勿論圧倒的な存在感を放つ彼女の歌声がカットアップ、そしてコラージュされ挿入される、という一聴すると奇天烈でいて雑多な印象のサウンドだと言える。
しかしながら全体を通して奇妙な統一感に溢れ、荒々しさよりもむしろソフトで繊細な印象を受けるのは女性ならではのしなやかな感性が為せる技だろうか。
50もの楽曲が目まぐるしく展開する様は確かにスリリングで聴いていて非常に面白いが、これらのサウンドから彼女達のイメージする草木を連想するのは聴く者の想像力に大きく委ねられる、といった所だろうか。しかし言い換えるならばこういった飽くなき実験精神と想像力を最大限に刺激するサウンドこそテクノの大きな魅力の1つでもありエレクトロニック・ミュージックに残された可能性でもあると言える。
Northern
... 2007.01.06.[Sat]

■Artist : Taylor Deupree
■Title : Northern
■Label : 12K
■Release : 2006
■Sample : ♪
NYの電子音響アンビエントの最高峰レーベル、12Kのオーナーにして自身もアーティストとして活動を続けるTaylor Deupreeによる2006年に自身のレーベルよりリリースされた久々のニューアルバム『Northern』。間に幾つかのコラボレーションアルバムを挟み、ソロのオリジナルアルバムとしては東京のSpekkからリリースされた『January』以来およそ2年ぶりの作品となる。
本作はアルバムタイトルからも連想される通り“冬”という季節、そして自然の情景にインスパイアされた作品である。 最近の彼はNYの中心地ブルックリンでの都市生活から少し離れ自然豊かな郊外へと引っ越したようで、日々の暮らしと制作環境の変化によってこのアルバムでも彼のサウンドに幾許かの変化を聴きとるが出来るだろう。
近年のDeupreeのサウンドはかつてのストイックなまでのミニマリズムから少しずつ距離を押し測りながらその間を広げているように感じられる。今作でもミニマル・サウンドは作品の根幹には据えられてはいるが、かつて程の切迫したような印象ではなく生楽器の大胆な導入によって非常に表情豊かで柔らかな感触のサウンドに仕上がっている。そしてアコースティックギターやハーモニカ、ピアノ等の生楽器が緩やかなメロディーを奏で、微かに聴こえるフィールドレコーディング音と次第に溶け合いながら繊細なハーモニーを描き出している秀逸なアンビエント作品となっている。
前作『January』も来日時の東京の雪景色にインスパイアされて制作したとの事だったがDeupree自身、冬や雪といったものに特別な感情や思い入れがあるのだろうか。
確かに彼のサウンドからは静謐で繊細な、まるで冬の澄んだ空気のような印象を受ける。そして行間を感じさせるような美しい空間的サウンドスケープは冬の静かな景色にゆっくり染み入るように響き渡るサウンドトラックとなるだろう。
−謹賀新年−
... 2007.01.06.[Sat]
2007年も早6日が過ぎ何を今更という感じですが、、、
明けましておめでとうございます。今年も『□□TUNE-IN□□』をよろしくお願いします。
これからも相変わらずのんびりマイペース、“turn on,tune in”な感じでやっていきます。
2007年、素晴らしい1年になりますように。 まったり、ほっこりいきましょう。。
明けましておめでとうございます。今年も『□□TUNE-IN□□』をよろしくお願いします。
これからも相変わらずのんびりマイペース、“turn on,tune in”な感じでやっていきます。
2007年、素晴らしい1年になりますように。 まったり、ほっこりいきましょう。。








