Personal Settings

Quatermass-personal settings vol.1
   ■Artist : Various Artist
   ■Title : Personal Settings
   ■Label : Quatermass
   ■Release : 2001
   ■Sample :




Quatermassレーベルからのコンセプチュアル・シリーズ、Personal Settings 。
Quatermassは実験/前衛を主軸にした電子音楽を提示し続けるベルギーのSub Rosaのサブ・レーベルであり作風としては4つ打ち〜エレクトロニカ、ポスト・ロック辺りの親元であるSub Rosaに比べやや通俗性の高い作品をリリースしているレーベルでもある。
今作はQuatermassの“アーティストごとに15分間という制限のもと楽曲を制作する”というコンセプトのもと立ち上げられたPersonal Settingsシリーズの第1弾。参加アーティストはPan American、Komet、Fisherofgoldの3アーティストでどちらかといえば音響系に特化した人選。

全体的にかなりダビーなアプローチの曲が目立つが冒頭から深く打ちつけるビートがこだまし物哀しいピアノのワン・フレーズが印象的なPan Americanの意表を突いた低温トラックに始まり、続くKometはBasic Channel譲りのマイクロスコピック×ミニマル・ダブを披露している。
しかしディレイやエコーの掛け方は幾分あっさりとしていて尾の引くような煙たさは抑えられその分グリッチーな音使いが目立つ辺りは音響パルス系のKometならでは。

トラックリストを見てもらえればわかるがラストのFisherofgoldに関しては1曲のみ。しかしながらアルバム中最も印象的な曲とも言える。
ザラついた触感のレイヤーにきめ細かい微細なノイズが散りばめられ焦点のぼやけたドラムが深く脈打つ。アコースティック・ギターの風にかき消されそうなかすかな響きのもと、時折空から星が降ってくるような煌く音の粒子が駆け巡りその度に目が眩む程に美しい瞬間が訪れる。
1曲およそ15分にも及ぶ長尺な曲ながら移り行く展開の中で表情を変えながら暖かい光に包まれているような壮大な昇天系アンビエントのこの曲でアルバムは静かに幕を下ろす。