Talk Amongst The Trees
... 2006.02.27.[Mon]

■Artist : Eluvium
■Title : Talk Amongst The Trees
■Label : Temporary Residence
■Release : 2005
■Sample : ♪

前作「An Accidental Memory in the Case of Death」(→ブログ内記事)に於いてピアノのみで演奏された非常に美しくも慎ましい作品をリリースしたMatthew Cooperによるソロ・プロジェクトEluviumの昨年リリースされた3rdアルバム。
前作から強く感じられたのは正に人間性そのものであり非常に感傷的な作品のような印象を受けたが今作ではそういう感覚すら超越し、もはや神懸り的に素晴らしい楽曲をこのアルバムで披露している。
彼の創り出す音は完全にこの世の重力からは解放されているのだ。
音の一つ一つが驚くほどの浮遊感をもって宙に舞い上がるように漂っている。
シンセサイザーが生み出した持続音による低音の波は幾重にも重なりながら決して地上を這いまわることなく緩やかな上昇気流に乗ってそのまま天空に駆け上がっていくような錯覚さえ起こさせる。
冒頭#1では10分にも渡る長大な曲となっているが、シンプルだが非常に美しいメロディーの中をギターによるフィードバック・ノイズと蠢くようなドローンが折り重なり正に圧巻の一言である。
そして#6では宗教音楽にも似た壮厳で伸びやかなストリングスのミニマルな反復が徐々に高揚感を煽るドラマティックな展開で最後にはまるで全てから解き放たれたようなカタルシスティックな感覚が訪れる。
アルバムを通して神聖で非常に厳かな空気に満ちている。しかしそこにあるのは緊張感ではなくむしろ安らぎである。それは眠りにつく前の安らぎであり、人生を静かに終えた時の幸せな安らぎなのかもしれない。
彼が3枚目の作品で見せた世界は現世の音楽ではなくまさに幽世に響き渡る音楽なのだ。








