Explode

Delay-AGF
   ■Artist : AGF / Delay
   ■Title : Explode
   ■Label : AGF Produktion
   ■Release : 2005
   ■Sample :




Sasu Ripatti・・・この人ほど名義によって対照的な毛色の作品を世に送り出している人も珍しいかもしれない。
大きく見て二つの名義を使い分け、Luomoでは何とも言えず艶っぽくアンニュイなハウス・ミュージックを、もう一方のVladislav Delayではエクスペリメンタルでダブやノイズを消化したアブストラクトなエレクトロニック・ミュージックを様々な作品において表現してきた。
そんな彼がDelay名義に於いて私生活でもパートナーであるAntye Greie-FuchsことAGFとコラボレーションした作品が「Explode」である。

メロディックな要素は大方排除され腰にまで響いてくる低音と暗闇の中にこだまするような残響音が閉塞的な空間の中に不穏に響き渡る。

トラック自体はいかにもBasic Channnelを通過した冷淡なダウンテンポ×ミニマル×ダブといった感じで音数をかなり絞り上げ簡素なものに仕上げてきている(実際耳を澄ませばかなりの細かく微細な音使いが聴いて取れるが)。
そしてその中をAGFによる愁いを帯びたウィスパーヴォイスが妖艶に歌い上げ、またリーディングする様が妙に情緒不安定的で、異様で、ある種独特の酩酊感を生み出している。

彼の前作Demo(n) Tracksが強烈でいながら素晴らしきアンビエント・ノイズ作品だっただけに、ヴォーカリストとの共作であるこのアルバムがDelay単独の作品よりも聴き易いといえばそうかもしれない。
しかしながら全体的にかなり沈み込むような鬱的ダウナーサウンドで聴いていると居たたまれないほどの不安感に駆られてしまう。

でもね、好きな人はとことん好きでしょ?こーいうの。
根暗な貴方にオススメします。