The Campfire Headphase
... 2005.10.29.[Sat]

■Artist : Boards of Canada
■Title : The Campfire Headphase
■Label : Warp Records
■Release : 2005
■Sample : ♪

待ちに待ったBoards of Canadaの3rdフルアルバム。
あの眩いまでの万華鏡的音世界を作り上げた前作「Geoggadi」が発売されたのが2002年だったからおよそ3年ぶりのリリースとなる。
(「Geoggadi」→ブログ内記事)
今回の3rdアルバム「The Campfire Headphase」、まず一聴してメロディーに生のギターを取り入れていることがアルバムの印象を大きく変えている。
そしてそれはギターだけではなくリズムに於けるドラムにも同様の事が言えるだろう。非常にシンプルなメロディーとリズムだがその分、肉感的で表情豊かなサウンドになってるのは言うまでも無い。
彼らはインタビューで「60年代から70年代の映画のサウンドトラックを作るような気分でアルバム制作に取り掛かった」と言っていたが確かに錆付いて赤茶けた昔のフィルムを見ているような質感と錯覚がアルバム全体からは感じられる。
だがその反面、あの気だるいまでの倦怠感とこれでもかと不安感を掻き立てるような不穏な空気、いたずらに繰り返されるギミックという面では若干それまでのアルバムに比べて抑えられている印象も受けた。
三年の歳月が彼らから程よく毒っ気を抜いたのかな?
その分それまで抽象的に感じられたサウンドはより具体性を増し映像的になったとも言える。
中でも「Farwell Fire」は今にも足が地上から浮いてしまいそうになる浮遊感と微かに鳴り響くメロディーが最後の炎の揺らぎを表すかのようなアンビエンス感溢れるラストナンバーとなっている。
そして最後にライナーノーツにはマイクの言葉としてこう記してある。
「普通のポップ・アルバムが太陽に20年間さらされた感じなんだ」
そう彼らはこのアルバムで彼らなりの変色したポップ・ミュージックを表現したのだ。
さぁ、このアルバムを手に取り僕らは新たなTRIPへと出掛ける事にしよう。
Music has the right to children
... 2005.10.29.[Sat]

■Artist : Boards of Canada
■Title : Music has the right to children
■Label : Warp Records
■Release : 1998
■Sample : ♪

Boards Of Canadaの名を世界に知らしめ、また確固たる人気を決定付けた彼らの1stフル・アルバムにして未だ最高傑作の呼び声高いアルバム「Music has the right to children」。
能面ジャケットの不気味さと音の全体に漂う不穏な空気がこのアルバムを聴いた多くの人を虜にしてしまったのは言うまでも無い。
「Twoism」では出せなかった重層的な音の厚みと、更に磨きがかかった腰にまで響くようなビートライン、メロディーはより甘美にそしてより幻想的な空気に満ち溢れている。
しかし全体を覆い尽くすのはまるで霞がかかったように不鮮明で取り留めの無い実体をしている音像である。
それはこちらが掴もうとするとスルりと指の隙間からすり抜けて悪戯に無邪気な笑みを浮かべている。
まるでスピーカーの、ビートの狭間の、自らの意識の、更に奥深くへ手招きしているかのようだ。
そうしている内に知らず知らず彼らの虜になっていくのだ。
彼らの曲中に使われている幾度となく繰り返されるヴォイス・サンプル、カウントされていく数字、子供の笑い声、意味深なタイトル。
それらに果たしてどんな意味があるのだろう?
何らかのメッセージがここには隠されているのだろうか?
もしかすると彼らは意味ありげな顔をしながら聴く者をまるで出口のない迷路に迷い込ませ、からかっているだけなのかもしれない。
だが幾ら僕が考えても答えはきっと出てこない。
だから今晩も彼らの出す音に身も心も委ねるしかないのだ。
あの悪戯に無邪気な笑顔に誘われるがまま。








